手を石けんで洗う意味とは?ハンドソープは必要なのか

できるだけ、ミニマムな暮らしをしたいと思う中で、

  • 併用できないかな?

と考えるのが「石けん」の類いです。

現在は、ボディ用に購入している大容量の液体石けんで、ハンドソープの代用をしています。

ふと、

  • 手で石けんを洗う意味とは何なのだろう?

と思って、調べてみました。

手で石けんを洗う意味

「日本石鹸洗剤工業会」のサイトに、

  • 外から帰ったとき、なぜ石けんで手を洗わなければいけないの?

というQ&Aが記載されていました。

(前略)水だけで手を洗っても、汚れはなかなか落ちないけれども、石けんをアワだてて使うと、汚れやバイキンは、アワに包まれて水といっしょに流れ落ちるんだよ。
日本石鹸洗剤工業会 役立つ情報 こどものページ

……というわけで、石けんの「泡」によって、汚れやバイ菌が落ちやすくなると解説されています。

根拠として、花王生活文化研究所調べの画像が掲載されています。


日本石鹸洗剤工業会 役立つ情報 こどものページ

  • 水だけで数秒、手を洗っても、大腸菌はきれいに落ちない
  • 石けんで20秒泡立てて、20秒すすぐと、大腸菌はきれいに落ちない

……とのことでした。

ただ、水だけで数秒洗っても落ちないのは当然とも思えます。石けんと同じ時間、洗った場合にはどうなるのか、知りたいところです。

手洗いの時間・回数による効果

さらに詳しいデータを探していたところ、国立医薬品食品衛生研究所の資料が見つかりました。

手洗いの方法 残存ウイルス数
(残存率)*
手洗いなし 約1,000,000個
流水で15秒手洗い 約10,000個
(約1%)
ハンドソープで10秒または30秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎ 数百個
(約0.01%)
ハンドソープで60秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎ 数十個
(約0.001%)
ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎを2回繰り返す 約数個
(約0.0001%)

*:手洗いなしと比較した場合

出典:ノロウイルスによる食中毒の現状と対策について

これを見ると、確かにハンドソープの効果が一目瞭然です。

最後の「ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎを2回繰り返す」の場合、かかっている時間は(10秒+15秒)×2回の50秒ですが、残存ウイルス約数個という完璧さです。

普段の暮らしでどこまで洗う必要があるか?

ところで、前述の表は「ノロウイルスによる食中毒の現状と対策について」という資料に掲載されていたものです。

ウイルス感染を防ぐために、必要な知識といえます。

一方、調べている過程で、〈“手を洗いすぎる”と風邪を引きやすくなる「流水で10秒間」だけでいい〉という記事も見つけました。これはこれで、興味深かったです。

手を洗いすぎてはいけない」という本の著者、藤田紘一郎氏による記事です。

手を洗いすぎてはいけない 超清潔志向が人類を滅ぼす (光文社新書)

藤田紘一郎氏によれば、普段の暮らしでの手洗いは、「流水で10秒間だけでいい」とのこと。

前述の「手洗いの時間・回数による効果」の表によると、流水で15秒手洗いしたときのウイルス残存率が1%です。

これを〈15秒で99%のウイルスが除去できる〉と考えれば、確かに普段の暮らしでの手洗いとしては、十分とも感じます。

藤田紘一郎氏の話では、それ以上に手洗いしてしまうと、今度は皮膚常在菌までも排除されてしまい、逆に免疫力が低下して感染症にかかりやすくなるというのです。

液体石けんでハンドソープ代用を継続することに

昔は、殺菌作用がうたわれているハンドソープを使っていました。その後、ものを減らしたくて、ボディソープとして使っている液体石けんを、ハンドソープと併用するようになりました。

少しだけ「それで大丈夫なのかな?」という気持ちがあったのですが、これに関しては完全に安心できました。むしろ、殺菌作用の強すぎるハンドソープを常用することには、弊害がありそうです。

一方で、「洗い方」によって、残存ウイルスの数が大きく変わることを学びました。

これからは、液体石けんをハンドソープ代わりにしつつ、シーンによって洗い方を変えて対応したいと思います。

例えば、調理中にお肉を扱った後には「ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎを2回繰り返す」という洗い方をすれば安心です。