基本的に、エコ洗剤が好きです。スタメン洗剤は、アルカリウォッシュ、過炭酸ナトリウム、重曹、クエン酸、アルコールです。ですが、「徹底的に消毒殺菌をすべき」というシーンでは、塩素系のハイターが頼れることも、あるのですよね……。
基本的には、塩素系は使いたくないですが、「時間の経過とともに分解する」という話も聞いて、実際どうなのか調べました。
残留塩素を除去する方法
まず、残留塩素を除去する方法についての情報です。奈良県大和郡山市が発信しているPDFより引用します。
1.沸とうさせる
沸とうさせると、残留塩素は分解して揮散します。最も簡単な残留塩素除去方法です。沸とうしてからしばらくは加熱を続けてください。市販されている電気ポットには、カルキ抜き機能がついているものがあります。
2.日光をあてる
日向水(ひなたみず)という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。水道水には、ご存知のとおり残留塩素が含まれています。そのため金魚などの生物を飼育する際は、川などの水環境と同じ状態に近づけるため、残留塩素を除去する必要があります。水道水に含まれる残留塩素は、日光の紫外線により分解、揮散するため、半〜1日程度日光に当てておけば水道水を飼育用に使用することができます。カルキを抜くための錠剤(ハイポ)が市販されているので、こちらを使用する方法もあります。
3.レモンをしぼる
レモンに含まれるビタミンCには還元作用があるため、酸化作用のある残留塩素と反応して分解することができます。ビタミンCが含まれている食品ならこの反応で残留塩素が除去されるので、とくにレモンにこだわる必要はありません。喫茶店等で出てくるレモン水は、残留塩素を除去する効果とレモンの風味で水に爽快感をつける効果の2つを同時にねらったものといえます。
4.緑茶にとおす
緑茶に含まれるカテキンには還元作用があるため、酸化作用のある残留塩素と反応して分解することができます。レモンをしぼるのと同じような手軽さで、残留塩素を除去することができます。
5.活性炭にとおす
活性炭の表面には目では見えない小さいすき間が空いていて、そのすき間に色々なものを取り込む性質があります。空気中や水中のにおい物質を吸着する性質から、ご家庭において脱臭剤として使用されている方もみえるのではないでしょうか。この活性炭は、残留塩素も取り込む性質があるため、水道水を活性炭に通すことで残留塩素のない水が得られます。
残留塩素を除去する方法
上記は「水道水」に残っている塩素を除去する方法ですが、塩素を使った掃除後の処理についても参考になります。
たとえば、猫のトイレなどをハイターを使って掃除した場合、外に出して日光に当てることで、残留塩素を分解することができます。
掃除にハイターを使った後、そのまま放置したらどうなる?
次に、以前から気になっていたのは、
- 掃除に使ったハイターは時間が経ったらどうなるの?
という点です。すすぎ残しがないように十分すすぐのはもちろんなのですが、それでも残ってしまったら、どうなるのだろうか?と。
キッチンハイターの成分
まず配合成分について。「キッチンハイター」の場合、成分は以下のとおりです。
| 成分名称 | 機能名称 |
|---|---|
| 水 | 工程剤 |
| 次亜塩素酸ナトリウム(塩素系) | 漂白剤 |
| 水酸化ナトリウム | アルカリ剤 |
| アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム | 界面活性剤 |

次亜塩素酸ナトリウム=塩素は蒸発すれば残留しない
「次亜塩素酸ナトリウム」が、私たちが「塩素」と呼んでいる成分になります。「次亜塩素酸ナトリウム」については、下記ページに非常に詳しく解説されていました。
http://www.aandt.co.jp/jpn/tree/vol_6.htm ※現在はアクセスできなくなっているようです。
常温でも徐々に自然分解するが、日光とくに紫外線や温度上昇により分解は促進する。
と書いてあるとおり、常温でも自然分解していくそう。
また、健栄製薬のページによれば、次亜塩素酸ナトリウムは蒸発すれば残留しないため、必ずしもすすぎは必要ではないと書かれています。
次亜塩素酸ナトリウム消毒後のすすぎは必ずしも必要ではありません。なぜなら、次亜塩素酸ナトリウムは乾燥時に塩素ガス(Cl2)となって蒸発し残留しないからです。
健栄製薬 | 次亜塩素酸ナトリウムで消毒後にすすぎは必要か?
……というわけで、次亜塩素酸ナトリウム(=塩素)は、蒸発してしまえば残留しないということがわかりました。
問題は「水酸化ナトリウム」と「界面活性剤」
次亜塩素酸ナトリウム(塩素)は蒸発すれば残留しないことがわかったのですが、前述のとおり、キッチンハイターに含まれる成分は、次亜塩素酸ナトリウムだけではありません。
塩素系漂白剤には、
- 水酸化ナトリウム
- 界面活性剤
も配合されています。
水酸化ナトリウムは揮発しない
水酸化ナトリウムは、強アルカリ性で、次亜塩素酸ナトリウムをアルカリ性に保つために配合されています(次亜塩素酸ナトリウムが酸性に傾くと、猛毒の塩素ガスを発生して危険なため)。
ハイターを手で触れるとヌルヌルしますが、それは次亜塩素酸ナトリウム(塩素)ではなく、水酸化ナトリウムの強アルカリで、皮膚が溶けるからです。アルカリ性の物質は、たんぱく質を溶かす性質があります。
そして厄介なのが、水酸化ナトリウムは揮発しないという点。次亜塩素酸ナトリウムのように蒸発して消えてくれるわけではなく、水分が蒸発した後も固体として表面に残留します。吸湿性が非常に強い物質のため、空気中の水分を吸って再びアルカリ性を示すこともあります。
界面活性剤は塩素を残留させやすい
界面活性剤は、洗剤に含まれている成分です。汚れ落ちが良くなるのですが、反面、塩素が残留しやすくなるようです。
たとえば、塩素を残留させたくない「水槽」の掃除には、界面活性剤が配合されていない塩素系漂白剤を使用することが推奨されます。
界面活性剤不使用のハイターを使う選択肢
界面活性剤が配合されていない塩素系漂白剤の代表は「ハイター」(青いキャップ・青いボトル)です。
「キッチンハイター」「キッチン泡ハイター」は界面活性剤が配合されていますが、衣料用漂白剤の「ハイター」には、界面活性剤が配合されていません。
| 成分名称 | 機能名称 |
|---|---|
| 水 | 工程剤 |
| 次亜塩素酸ナトリウム(塩素系) | 漂白剤 |
| 水酸化ナトリウム | アルカリ剤 |

(ハイター 衣料用漂白剤)
結論:水酸化ナトリウム問題は残るので、すすぎをしっかりすべきなのは変わらない
結論としては、塩素系漂白剤に配合される3つの成分、
- 次亜塩素酸ナトリウム
- 水酸化ナトリウム
- 界面活性剤
のうち、❶ 次亜塩素酸ナトリウムと❸ 界面活性剤は、解決方法がわかりました。
❶ 次亜塩素酸ナトリウム(塩素)は、蒸発させれば残留しません。❸ 界面活性剤は、界面活性剤が配合されていない塩素系漂白剤を使用すればOKです。
ただ、強アルカリ性の「❷ 水酸化ナトリウム」の残留問題は、依然として残ります。
アルカリ性ですので、酸性で中和させれば良いかと思いきや、次亜塩素酸ナトリウム(塩素)が酸性と反応すると猛毒の塩素ガスを発生してしまいます。
次亜塩素酸ナトリウムが完全に残留していなければ、クエン酸などで水酸化ナトリウムを中和する方法もありかもしれません。しかし、完全に残留していないかどうかを家庭で正確に判断するのは困難であり、ひとつ間違えれば塩素ガスの発生という重大な事故になります。
やはり、ハイターを使うときには、しっかりとすすぎをすること。これが大切だと学びました。

