猫が自分からごはんを食べなくなったとき、「なんとかして栄養を入れる」ことが非常に重要です。
終末期であれば、無理に強制給餌するのはやめて、自然に任せるという選択肢もあると思います。
ですが、終末期でないのならば、なんとか強制給餌をがんばる必要があります。
我が家の場合も、術後の後遺症から痩せてしまい、強制給餌を10カ月ほど続けたあと、自力で食べられるまでに復活したことがありました(13歳の頃、強制給餌の第一期)。それから3年ほどは自力で食べられていて、現在は再び、強制給餌の時期に入っています(17歳以降、強制給餌の第二期)。
強制給餌をしなければ、いのちをつなぐのは難しかったでしょう。
そして、強制給餌のやり方は、一般的に知られている方法、病院で指導された方法だけでは、どうしてもうまくいきませんでした。独自の変則的なパターンで試行錯誤しながら、そのときどきで愛猫が受け入れてくれる手法を選択してきました。
この記事では、わが家の猫の強制給餌で実際に行ってきた5つのパターンを紹介します。
「強制給餌がうまくできない」「何をどう試せばいいのかわからない」と途方に暮れている飼い主さんの参考になれば幸いです。
なお、強制給餌はかならずかかりつけの獣医師に相談したうえで行ってください。 この記事はあくまで一人の飼い主の体験にも基づく工夫となります。
我が家の愛猫は腎臓病があるため、出てくるフードは腎臓ケアのフードが中心です。使用するフードは、それぞれの猫さんに必要なフードに置き換えて読んでいただいても、参考にしていただける部分はあるかと思います(ドライフードやウェットフードの粉砕やシリンジでの与え方など)。
【パターン1】腎臓サポートリキッドをそのままシリンジで与える
最初にチャレンジしたのは、最もオーソドックスな方法です。
ロイヤルカナンの腎臓サポートリキッドは、腎臓病の猫のために設計された液状の療法食。サラサラの液体なので、シリンジに吸い上げてそのまま口に注入するだけです。

(ロイヤルカナン 猫用 腎臓サポート リキッド(237ml×4本)【ロイヤルカナン療法食】)
この方法がうまくいくなら、手間も少なくて、最も良い選択肢だと思います。
愛猫はこれがうまくいっている時期もあったのですが、時期によってはほかの方法に変える必要がありました。その理由は、以下のデメリットがあったからです。
リキッド方式のデメリット
- 投与後かならず吐いてしまう
- 必要カロリーを満たすには量が多すぎて投与量が追いつかない
- 肺水腫を発症してしまった
うちの子の場合、なぜか、腎臓サポートリキッドを少量(3〜5mL程度)飲んで、その15分〜60分後以内に吐いてしまうことが多かったです。いったん吐いた後の給餌では吐かないこともあったので、吐くのを待ってから2回目…としている時期もありました。
ただ、ドライフードに比較してとにかく水分量が多い(水分84%)ので、必要カロリーを満たすにはおのずと大量になってしまいます(カロリー摂取をするうえでは、ドライフードの効率の良さを痛感しました)。
最後の3つめの「肺水腫」については、あまりリスクが知られていないようですが、我が家では非常にヒヤッとする思いをしました。この点は重要なので、詳しくは以下に続きます。
皮下点滴との併用やハイシニアは肺水腫に要注意
若くて循環器が元気な猫であれば問題になりにくいのですが、ハイシニア期に入って心臓や循環器の機能が衰えている猫の場合、水分の処理が追いつかず、肺水腫を引き起こすリスクがあります。
とくに皮下点滴を並行して行っている場合は、すでに点滴で水分を補給しているため、リキッドの水分が上乗せされて体内の水分量が過剰になりやすいのです。
うちの子も、強制給餌の第一期(13歳)のときは問題なかったのに、第二期(17歳)のときは、軽度ですが肺水腫になり、即、リキッドによる強制給餌は中止となりました。幸い軽度だったため数日の治療で事なきを得ましたが、命にかかわる事態ですので非常に怖い出来事でした。
このようなリスクがあるかどうかは、猫さんの状態やほかの水分摂取(飲水、皮下点滴)などによります。主治医の先生とよくご相談のうえ、行ってください。
リキッドでの強制給餌で注意したいポイントをまとめておきます。
- 猫の年齢や心機能の状態を獣医師と定期的に確認する
- 皮下点滴の量と強制給餌の水分量を合算して、トータルの水分摂取量を把握する
- 呼吸が速い・浅い、口を開けて息をするなどの症状が出たら、すぐに獣医師に相談する
- 加齢とともに「以前と同じ量」が安全とは限らないことを意識する
我が家ではこの肺水腫の経験があったので、強制給餌の第二期では、水分量が少ない方法(後述するパターン5のドライ1粒投薬)に移行しました。
【パターン2】リキッド+ドライフードを粉砕してシリンジで与える
パターン2は、リキッドだけでは吐いてしまう、カロリーも足りないというときに試した方法です。
強制給餌の第一期では、このパターン2がうまくいって、最も長期にわたって採用していました。
やり方は、腎臓サポートドライをイワタニのミルサーで粉砕し、リキッドと混ぜてペースト状にしてからシリンジで与えます。

(ロイヤルカナン 猫用 腎臓サポート ドライ(500g)【ロイヤルカナン療法食】)
リキッドだけではすぐ吐いてしまっていましたが、ドライフードを混ぜると吐きにくくなりました。
また、ドライフードは100gあたり392kcalとリキッドの約3.6倍のカロリー密度があります。リキッドだけのときよりも少量でカロリーを満たせるようになりました。
ミルサーでの粉砕はイワタニのミルサーを使用
このやり方で重要なのは「粉砕の細かさ」です。シリンジの先端は口径が小さいため、粒が粗いと詰まります。最初は自宅にもともとあったミルサー(Amazonで数千円で購入)を使ったのですが、ひんぱんに詰まって実用に耐えませんでした。
そこでレビューなどを読み込んで購入したのがイワタニのミルサーで、これはすばらしいです。まったく詰まりません。乾燥した固形物を微粒子レベルまで砕く性能があるため、ドライフードもパウダー状まで粉砕してくれます。
私が購入した機種は「イワタニ クラシックミルサー IFM-800DGM」というものです。

(【公式】イワタニ クラシックミルサー IFM-800DGM)
間に合わせのミルサーで粉砕しているときは非常にストレスが多い作業でしたが、イワタニのミルサーにしてからは、何のストレスもなくスムーズに作業できるようになりました。
わが家のレシピ例(1日の量と割合)
具体的なリキッドとドライフードの混ぜ合わせですが、体重を維持したいときと、体重を増やしたいときでレシピを変えていました。
◉ 体重アップレシピ(3.6kg→4.6kgへ)
体重が減ってしまい、増やしていくときのレシピは、
- 腎臓サポートドライ25g
- 腎臓サポートリキッド 1本の約2/3(138g)
…でした。これらをミルサーの容器に入れて断続的に1秒×10回ほど回したあと、20秒ほど連続で回して粉砕すると、全体的に均一なゆるいペースト状になります(直接シリンジで吸える粘度)。
できあがりは5mLシリンジで約22本分でした。
※シリンジは5mLを使っていましたが、実際のメモリは6mLまであるので、6mLまで詰めていました。
◉ 体重維持レシピ(4.6kg程度でキープ)
前述の体重アップレシピで体重が増えて、維持期には、少し量を減らして以下のレシピにしていました(4.6kg程度をキープしていたときのレシピです)。
- 腎臓サポートドライ 15g
- 腎臓サポート リキッド 1本の半分(100〜105g)
前述のレシピと同様に、これらをミルサーの容器に入れて断続的に10回ほど回したあと、20秒ほど連続で回して粉砕します。
こちらのできあがりは5mLシリンジで約16本分。このレシピは、強制給餌第一期の後半から最後まで行っていました。
やがてこれに加えて、自力で食べる日が出てきて、徐々に自力での食事に移行していきました(強制給餌を卒業)。
作ったペーストの当日の保管方法
朝、ミルサーで当日分のペーストを作ったら、それを5mLのシリンジにすべて詰めて冷蔵庫へ保管するやり方が、最もハンドリングしやすかったです。
たとえば、体重アップレシピの時期ならば、22本分の5mLシリンジを用意して、まとめて22本に詰めておきます。

ペーストをミルサー容器のまま保存して、給餌のたびにシリンジに詰める方法のほうがやりやすければ、それでもまったく問題ありません。
また、うちの子は当時5mLのシリンジが最も上手に飲んでくれたので5mLを使っていましたが、10mL以上のシリンジで上手に飲める子なら、そのほうが効率的です。
余ったリキッドの保管
リキッドは1本200mLのボトルで販売されています。1日分のペーストを作って余った分は冷蔵保存し、2日以内に使い切るようにしていました。
シリンジでの給餌のやり方(うちの子の場合)
シリンジを猫の口の横から差し入れ、喉の奥の空間を目がけて全量を注入するのが、いちばんスムーズに飲み込んでもらえるやり方でした(ゴクゴクと少しずつ飲みながらの給餌はできないタイプ)。
シリンジは端のほうを持ち、押し子を指で押し込みます。6mLシリンジ1本分を一気に喉の奥に入れるイメージです。このやり方を習得するにあたって、以下の動画がとても参考になりました。
シリンジでの給餌が、どのようなやり方でうまくいくかは、猫さんによって本当に異なるので、試行錯誤が必要になってくるかと思います。うちの子の場合も、上述のやり方でうまくできるようになるまでには、必死な日々が続いていました。
1日のあげ方のスケジュール(1回分の量、参考まで)
1日のあげ方は、我が家の場合は以下のとおり行っていました(当時のメモ)。
- 1回分は5mLシリンジ4〜6本(通常は4本、調子が良ければ6本まで)。
- 冷蔵庫から出して、常温に戻してからあげる(常温に戻す時間は2時間以内を目安にする)。急いで常温に戻すときは、湯せんか蒸しタオルで包む。
- 1本目(朝の空腹時)は吐きやすいので、一気にあげない。0.5本〜1本だけあげて、30分以上様子を見る。
- 朝7時〜夕方17時頃までのあいだに、4〜6本を断続的にあげる(2時間ごと目安)。
- 夜〜翌朝までの12〜16時間ほどは強制給餌をしない。消化のための時間確保と愛猫とコミュニケーションする時間として。
これはうちの子の様子を見て試行錯誤しながら、「これが調子が良さそう」とたどり着いたスケジュールなので、すべての猫さんに合うものではありません。あくまでも参考程度にご覧ください。
【パターン3】腎臓サポートウェットを粉砕してシリンジで与える
パターン3は、体調がなかなか安定せず、いろいろなフードを試すなかで行っていた方法です。
腎臓サポートのウェットフード(パウチ)は、127kcal/100gとリキッドより栄養価が高く、風味もリキッドとはまったく異なります。リキッドが苦手でも、ウェットなら食べられる子もいるでしょう。

(ロイヤルカナン 腎臓サポートチキンテイスト(85g×24個)【ロイヤルカナン療法食】)
ただし、ウェットフードにはチャンク(固形の肉片)が含まれているため、そのままではシリンジに入りません。
ここでもイワタニのミルサーが活躍します。ウェットフードの中身をミルサーに入れて粉砕すると、簡単に滑らかなペーストになります。シリンジでスムーズに吸い上げられます。
リキッドは、容量が200mLと多いのに賞味期限が短くて扱いづらいですが、ウェットは1袋85gですから、ウェットのほうが扱いやすいという面もあります。
また、ウェットフードは、腎臓サポートやロイヤルカナンに限らず、多様なフードがあります。猫さんに合うウェットフードがあれば、それをミルサーでペースト状にすれば、強制給餌ごはんに変えられます。
【パターン4】キドナ+ドライフード粉砕を混ぜてシリンジで与える
2021年頃に腎臓リキッドが入手しづらい時期があり、ほかの方法も代替として持っておきたいと思って開発したのが、キドナとドライフードのパターンです。
キドナは、森乳サンワールドが開発した腎疾患の猫向けの粉末タイプの経腸栄養食。正式名称は「チューブダイエット〈猫用キドナ〉」です。

(森乳サンワールド キャットフード チューブ・ダイエット 猫用キドナ)
キドナは粉末状なので、温湯(40℃前後)で溶かして使います。溶く水の量を変えれば、サラサラの液体からドロッとしたペーストまで濃度を自由に調整できます。
わが家のキドナレシピ(1日の量)
キドナを使うときのレシピは、パターン2(リキッド+ドライ)のキドナ置き換えバージョンです。
- キドナ 20g
- 腎臓サポートドライ 30g
- 水 110g
これをミルサーで粉砕していました。できあがりは5mLシリンジで約22本分。
うちの子はドライとブレンドしていましたが、もちろんキドナ単体で使えます。キドナ単体でうまく給餌できる子なら、それが最も楽な方法です。
キドナを使う際の注意
キドナを使うときの注意点は以下のとおりです。
- 溶解後は2時間以内に使い切るのが原則(メーカー推奨)。
- 60℃以上のお湯で溶かすと一部の栄養成分が損なわれるため、かならず40℃前後のぬるま湯を使う。
- 飢餓状態の猫に急に大量を与えると、リフィーディング症候群(飢餓状態の体に急に栄養が入り、電解質の異常が起きる現象)のリスクがあるため、少量からゆっくり始める。
キドナは動物病院で取り扱っている場合が多いですが、ネット通販でも購入可能です。1袋20gの個包装で、保存しやすい乾燥パウダーという点が、ほかのフードにない利点です。
コロナ禍で物流に不安があったときには、キドナを購入して、保存食のような感じで保管していました。
【パターン5】ドライフードを1粒ずつ錠剤のように投与する
パターン5は、いま現在進行形で行っている方法です。最初は「これはありか?大丈夫かな?」と自分でも迷いました。
やり方は、腎臓サポートのドライフードを1粒ずつ、薬を投薬するときと同じ要領で猫の口に入れて飲んでもらいます。
一般的な投薬の方法は「口を開けて、のどの奥に1粒を置き、口を閉じさせて喉をさすって飲み込みを促す」という形です(愛猫はこのままではうまくいかないので少し変えていますが)。これを必要な粒数分、繰り返します。
1日の量と1回分の量
うちの子の場合、1日に36gを食べるのですが、これは約180粒程度です。1回22粒×8食に分けて食べてもらっています(1回量はもっと食べられる子も多いと思います。うちの子は吐いたり下痢したりしてしまうため、小分けする必要あり)。
注意点:これは苦肉の策のやり方ではある
注意点としては、この方法は万人向けではなく、リスクとベネフィットをてんびんにかけたうえでの選択です。
わが家の場合、前述したように肺水腫を患った経緯から、リキッドでの強制給餌にはリスクがあります。かといって食べないまま放置してしまえば、命が危なくなってしまう。
そこで苦肉の策で、ドライフードをそのまま強制給餌する方法を編み出し、これでうまく体重維持ができています。
この方法のリスクとして心配なのは、粒が喉に引っかかる・誤嚥する可能性です。とくに飲み込む力が弱い猫や、高齢で嚥下機能が衰えている猫には危険が伴うかと思います。
いっぽうで、「じつは猫は噛んでいない」「ドライフードは丸飲みしている」「だから嘔吐するとドライフードが丸ごと出てくる」という話題を見たことがあったので、丸飲みしても消化器への負担は限定的なのではないか?と考えました(これはあくまで個人的な考えです)。
この方法を思いついたのは「ドライフードで作った団子」を給餌している体験談から
ちなみに、この方法を思いついた背景には、5年ほど前の強制給餌第一期の頃、数多くの情報を検索したなかで、「ドライフードを水分でふやかしたあと、それを団子状にして口の中に放り込む」という方法で強制給餌している方を見たことがあります。
けっこう大きめのお団子だったのですが、その子の場合は、それでうまくいっているとのことでした。
うちの子の場合は、最も飲み込みやすいのはドライフードそのままのサイズだったので、そのまま給餌しています。
ドライフードを強制給餌するときに気をつけていること
- 1粒ずつ飲み込んだのをかならず確認してから、次の粒を入れる
- 猫の口を開ける際は、頭を軽く上向きにして喉の通りをよくする
- 飲み込みを促すために喉元をやさしくさする
- 嫌がりが強い場合は無理をせず、時間を置いてから再挑戦する
- 強く嫌がったり咳き込んだりしたら、すぐに中止する
繰り返しとなりますが、この方法はかなりイレギュラーなので、試したい場合には事前に獣医師にご相談されることをおすすめします。 猫の嚥下機能や全身状態によっては、避けるべきケースもあるかと思います。
ほかに選択肢となるフード・方法
5つのパターンとは別に、強制給餌で使われるフードとして知っておくと役立つ選択肢を補足しておきます。
スプーンや指で食べさせる方法
強制給餌は、シリンジを使う方法のほかに、スプーンや指を使って食べさせる方法があります。
ウェットフードやペースト状のフードを小さなスプーンに少量取り、猫の口元に持っていきます。完全に食欲がなくなっている子には難しいのですが、「自分からは食べにいかないけれど、口元に持っていけばなめてくれる」という段階には有効な場合があります。
また、ペースト状のフードを指先に取って猫の上顎に塗りつける方法もあります。口を開けて上顎にフードを塗ると、猫は口を閉じたときに自然と飲み込みます。飲み込む力がしっかりある子向けの方法で、シリンジが苦手な子にとってはこちらのほうがストレスが少ない場合もあります。
ただし、指を使う方法は噛まれるリスクがあるため注意が必要です。奥まで指を入れず、上顎の手前に素早く塗ってすぐに手を引くようにします。
ヒルズ k/d(腎臓ケア)缶
ヒルズのk/dシリーズは、ロイヤルカナンの腎臓サポートシリーズと並ぶ、腎臓病の猫向け療法食の定番です。

(ヒルズ プリスクリプションダイエット k/d缶詰 ツナ 腎臓ケア 特別療法食)
缶詰タイプはペーストに近いなめらかな食感で、シリンジでの強制給餌にも使いやすい形状をしています。チキン・ツナなど複数のフレーバーがあり、ロイヤルカナン系の味を受けつけない子の選択肢になると思います。
わが家でも試しましたが、うちの子の場合はk/dが体質に合わなかったようで、下痢をしてしまいました。そのため長期間は使わず、パターン1〜5のロイヤルカナン系の組み合わせに落ち着いています。
ただ、k/dが体に合う子はたくさんいるので、多くの猫さんにとっては良い選択肢になると思います。
回復期向けの高カロリー食(腎臓病の猫は要相談)
「急速にカロリーを確保させたい」というときには、回復期向けの高カロリー療法食がよく使われます。代表的なものとして、以下の2つがあります。
- ヒルズ a/d缶(回復期ケア): 手術後や衰弱時など栄養要求量が高まっている犬猫向けの缶詰タイプの療法食です。シリンジやチューブでの給与を想定した柔らかい形状で、かき混ぜると液状になるため強制給餌に使いやすくなっています。
- ロイヤルカナン クリティカルリキッド: こちらも回復期向けの流動食タイプの療法食です。腎臓サポートリキッドと同じ液状ですが、目的が異なります。腎臓サポートリキッドが腎臓病向けにリンやタンパク質を制限しているのに対し、クリティカルリキッドは高タンパク・高カロリーで体力回復を重視した設計です。
どちらも嗜好性が高く、腎臓ケア食を受けつけなくなった子が食べてくれる場合があります。
ただし、いずれも腎臓病向けのフードではありません。 タンパク質やリンの含有量が腎臓ケア食よりも多いため、腎臓病の子に使う場合は獣医師との相談が不可欠です。
「何も食べないよりは、成分が理想的でなくても食べたほうがよい」という判断が成り立つ場面もありますが、長期使用には注意が必要です。
猫さんに合う強制給餌が見つかりますように
自宅での強制給餌は、するのか・しないのか、どのようなやり方をするのか、誤嚥のリスク、適切な量やフードの種類など、大きな責任が飼い主にかかってきます。
自分の判断がすべてを左右してしまうようなプレッシャーのなか、宝物のように大切にしてきた愛猫との関係が、強制給餌によって壊れてしまうような怖さもあります。
私も一時、愛猫が私を避けるようになり、「万が一、このままお別れになったらどうしよう」と考えて、表現できない恐怖にさいなまれていました。
ですが、強制給餌の方法はひとつではないと思い、自分なりにいろいろな工夫を重ねることで、なんとか乗り切ることができました。
この記事で書いたのは、実際に私と愛猫が経験してきた一例です。ほかにも、たくさんの飼い主さんと猫さんが編み出した、いろいろな選択肢が存在すると思います。なんとか、あなたの猫さんが受け入れてくれる方法が見つかりますように。心から願っています。

